理念浸透の方法と成功のポイントは?重要な理由からうまくいかない要因まで解説
Date: 2025.10.10
今回は、理念浸透の概要から重要な理由、理念浸透がうまくいかない理由、理念浸透を成功させるための方法・ポイント、成功事例まで解説します。
目次
理念浸透とは?

理念浸透とは、企業や団体の理念やビジョン、ミッションなどが社内に浸透し、全従業員が共感した状態にすることを指します。
企業理念と経営理念とは?違いも解説
理念には、主に企業理念や経営理念がありますが、企業理念は企業の存在意義や在り方を指し、経営理念は経営上に必要な経営者の価値観が反映されたものです。
企業理念が企業全体の価値観であるのに対し、経営理念は経営者の創業や設立時からの価値観とされていますが、どちらも同意義で捉えられることもあります。
企業理念も経営理念も共に崇高な意義や在り方を掲げ、社内に浸透させることで、健全で持続可能な組織や経営を作り出す試みが、理念浸透です。
理念浸透が重要な理由

近年は、より一層、理念浸透の重要度が高まっています。その理由として、次の点が挙げられます。
目的意識・帰属意識の向上
国内の労働力不足が深刻化する中、多様な価値観を持ち、リモートを含めてさまざまな勤務形態の人々が共に働く中では、より一層、同一の目的を持って進めていく必要があります。そのためには、組織に属している意識や仲間やチームの一員としての意識が重要です。理念浸透はそれらの意識を統一するのに必要不可欠です。
働く意義を見出すことによるパフォーマンス向上
企業理念などは、社会貢献や深い存在意義を表すものであるため、理念に共感し、体現することで従業員は社会的に貢献している意識が生まれます。その結果、パフォーマンス向上につながります。
従業員エンゲージメントと離職率への影響
従業員と企業間の信頼関係を意味する従業員エンゲージメントは、人材の流動化が進む昨今、重要性を増しています。理念に共感する従業員が増えれば、従業員エンゲージメントが向上し、離職率の低減にもつながるでしょう。
理念浸透がうまくいかない原因

理念浸透の重要な理由は把握しているものの、実際に行ったところで理念浸透がうまくいかないことも多々あります。その原因としては次の点が考えられます。
●理念を定めただけで終わっている
●社内周知やコミュニケーションが不足している
●理念が抽象的すぎて行動につながらない
●経営層の言行不一致
企業理念や経営理念は創業や設立時から適宜見直されることがありますが、見直しただけでは浸透はしないでしょう。社内周知や経営層と従業員とのコミュニケーション不足が考えられます。
また理念そのものは抽象的なことが多いですが、具体的な行動に落とし込むヒントを提示しなければ行動につながりません。そもそも経営層が理念を体現してお手本を見せるべきところ、言行不一致が見られるなどすれば、浸透どころではなくなってしまいます。
理念浸透を成功させるための方法・ポイント

企業理念などを浸透させるには、どのような方法があるのでしょうか。ポイントも合わせて解説します。
行動指針への具体化
理念は抽象的であるため、従業員が日頃の業務にスムーズに落とし込めるよう、行動指針として具体化することが有効です。
経営陣・管理層の体現と物語化
経営陣・管理層による理念や行動指針の体現は必要不可欠ですが、その体現した行動エピソードを物語化し、社内報や周年誌、ビジョンブックなどに反映させることもおすすめです。
人事制度・報酬との一体化
理念や行動指針に基づく行動を取った従業員を評価する人事制度を設け、報酬にも反映させる仕組み作りは、従業員の行動を促すことができます。
接点の増加と双方向コミュニケーション
経営層と従業員の対話機会を意識的に増やすこと、従業員の意見や考え方にも傾聴する姿勢を持つことで、従業員の理解と共感を生み出すでしょう。
理念浸透の成功事例

企業における理念浸透の取り組み事例をご紹介します。
伊藤傳三記念館
食品メーカー伊藤ハムは、創業者・伊藤傳三の志を伝える記念館を、創業90周年の記念事業として創業の地に設立しました。ターゲットを社員や取引先、業界の関係者、研究者、文化・芸術振興に携わる人、学生、地域の人々など幅広く据える中、社内に対しては理念浸透にも寄与しています。
特徴的なのは、86㎡という限られた空間で、映像・情報コンテンツなどのデジタル展示を活用している点です。
【関連リンク】
伊藤傳三記念館
くらすわの森
長野県駒ヶ根の森に作られた、養命酒製造のライフスタイルブランド「くらすわ」の体験型複合施設です。数ある施設の中には、オフィスとインフォメーションを兼ねる「センターハウス」や屋内回廊、ライブラリー、レストランなどがあります。
創設に当たっては、くらすわ事業部の次の100年をつくる社員を交えたワークショップを行うなど、社員を巻き込んだ取り組みを行いました。その結果、社外はもちろん、社内へのさらなる理念浸透にもつながっています。
【関連リンク】
くらすわの森
まとめ
理念浸透は近年、企業を取り巻く課題解決につながる目的意識・帰属意識の向上、パフォーマンスや従業員エンゲージメント向上、離職率低下など多様なメリットが期待できます。
一方で、理念浸透活動における課題を解決するために、経営層からの積極的なメッセージングやコミュニケーションが重要です。
企業理念や経営理念の浸透施策の一つとしておすすめなのが、企業ミュージアムの設立です。企業理念やビジョン、歴史など多様なコンテンツを社内外にビジュアル的にインパクトを与えながら浸透させられます。
丹青社では、創業以来70年以上にわたり、各業界のリーディングカンパニーや、自治体、官公庁などの空間づくりを手がけてきたノウハウを活かし、企業ミュージアムの企画から設計、制作、運営までを一気通貫で行っております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
