コラム

企業ショールームの成功事例
~企業とお客さまのコミュニケーションを生み出し育む~

Date: 2022.07.22

近年、企業ショールームの新設やリニューアルが盛んに行われております。
企業ショールームは顧客接点のひとつです。
主に接客や営業など顧客との直接的なコミュニケーションの場、テレビCM、ダイレクトメール、メールマガジン、Webサイト、展示会などが挙げられますが、この他にも様々な顧客接点があります。
顧客接点の選択肢が多様化したからこそ、そのあり方が改めて見直されています。

本コラムでは企業ショールームがもたらす効果、その効果を向上させる工夫について、成功事例とともにご紹介します。

企業ショールームの新設・リニューアルが増えている理由

企業ショールームとは、企業が自社の製品やサービスの紹介を行い、運営する施設のことです。消費者とのリアルな接点の場となる企業ショールームは、広告やカタログだけでは伝えることが難しい製品の魅力をより効果的に伝えることができます。
企業ショールーム、PR施設の歴史は戦後にまで遡り、繊維産業の復興に伴い次々と開設されてきました。そこから時を経て、昭和60年代になると企業イメージや経営理念を示すようなショールームが登場し、現在では一般的となる企業と消費者のコミュニケーションの場となるような施設が増えてきました。
さらに、2010年代になると、製品の展示や紹介のみならず、”体験”をテーマとした新たな企業ショールームが登場し、企業ショールームを新設・リニューアルする企業が増えてきました。
増加する背景としては、テレビやネット、SNSが普及することで消費者は簡単に多くの情報を得ることができるようになりましたが、消費者にとって企業の発信する情報が「本当なのだろうか」という疑問も同時に生まれるようになりました。
企業ショールームはこういった疑問に応えるべく、企業や製品の持つ魅力や技術を消費者に伝えるための施設としての役割を担い、世間に広まっていったものと考えられます。

【関連コラム】企業ショールームを成功させるために必要な要素とは

企業ショールームがお客さまとのコミュケーションにもたらす効果

企業ショールームがもたらす効果は以下の3つが挙げられます。

 

1.製品・サービスの魅力を効果的に伝えることができる

企業はインターネットや広告、SNSなど様々な手法で企業や製品を紹介する取り組みを行っています。
しかし、単に製品やサービスの特長や機能を知ってもらうだけでは、その製品やサービスが採用されるとは限りません。
特に、BtoB企業によく見られる専門性の高い製品やサービスは、その製品の特徴や効果を深く理解することは困難です。
そのため、実際に製品やサービスの仕組みや効果をお客さまに体験して実感してもらうことが重要です。
企業ショールームでは、製品を展示して体験してもらうことで、魅力を効果的に伝えることができます。さらに、製品の製造工程や仕組みを解説することもでき、製品を支えている企業が持つ技術や工夫も伝えることができます。

 

2.お客さまの声を聞くことができる

企業ショールームでは、製品を見ながら説明を行うことができます。そのことによって、見るだけで伝わらない細やかな説明をすることで理解を深めることができるだけではなく、お客さまの意見や感想を聞くことができます。
このような直接の意見や感想をヒアリングすることで、製品やサービスの改良に活かすこともできるだけではなく、その意見などを通じてお客さまの課題を理解することもできます。特にBtoBでの取引では、機能性を追及するだけではなく、お客さまの課題に応じた提案が求められることもあり、課題理解の場を持つことは競争優位性につながります。

 

3.ブランディングに活用できる

企業ショールームでは製品と同時に歴史や企業の考えかた、価値観を紹介することができます。優れた企業ショールームはお客さまに寄り添ったコンテンツを通じて共感を生み、「ひとりのお客さま」を「製品・会社のファン」にすることも可能です。

成功する企業ショールームをつくるための工夫

企業ショールームを有効活用することで、お客さまとのコミュニケーションを生み出すことができますが、単に製品を置くだけでは、魅力を伝えることも、課題を聞き出すことも困難です。
優れたコミュニケーションを実現するショールームには様々な工夫がなされています。ここでは4つのポイントを紹介します。

 

1. 実空間ならではの仕掛けを施す

インターネットやSNSと異なり、実際に触るといったことが可能なだけではなく、光や音、臭いなど人間の五感に訴えかけることができることも実空間である企業ショールームの強みです。
製品の機能や特徴を際立たせる演出や体験性の高いコンテンツなどを用意することで、お客さまの印象や記憶に残るコミュニケーションをとることが可能になります。

 

2. 説明や情報の順番を工夫する

実空間であるため、お客さまが情報を得る順番を制限することや、誘導することができます。専門性が高いものであれば、わかりやすい説明から徐々に専門的な内容に誘導して理解を得ることができます。
また、複数の製品や事業を紹介する企業ショールームの場合、お客さまに関連製品や技術を併せて紹介することで、より関係を広げる機会を得ることもできます。

 

3. 製品・サービスだけではない想いや価値観を伝える

製品やサービスそのものの価値を魅力的に感じてもらうことだけではなく、企業としての考え方や価値観に関する展示も行うことも効果的です。
機能や価格での差別化は重要ですが、企業の価値観や事業以外の取り組みが重要視されることも多くあります。ある程度お客さまが時間を確保して来ていただく場合が多い企業ショールームで発信することで、お客さまに企業全体やその価値観をよりよく知ってもらうきっかけとすることができます。

 

4. 定期的に内容を更新する

技術やテクノロジーは進歩しており、それに伴い製品やサービスは日々改善がなされています。ショールームにおいても、それに合わせて展示する内容を更新する必要があります。
また、企業が目指す方向性や経営方針なども見直される場合もあり、企業ショールームで発信する内容も定期的に見直していくことが重要です。

企業ショールームの成功事例

実際に企業はどのように企業ショールームをつくり上げているのでしょうか。
ここでは弊社がプロジェクトに携わった2社の事例をご紹介します。

①ビジネスパートナーが製品・技術力を体感できるショールームを実現

グローバル本社におけるショールームとして、企業の精神と目指す未来を感じてもらい、ビジネスパートナーに向けたプレゼンテーションが行えるような場を提供することをテーマとしました。
ショールームは2フロア構成でビジネス向けフロアとコンシューマー向けフロアに分け、製品の展示方法を工夫することで技術力の高さを視覚化し、様々な製品が最も際立つ空間を実現しました。

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②世界に誇る製品・技術を有する企業を分かりやすく紹介

BtoB企業として国内外の顧客に加え、地域の学生も含めた幅広いステークホルダーへ、独自の技術力を伝えるために工場に展示室を設置しました。
幅広いターゲットに対し、一つの展示で情報を効果的に伝えるため、「伝えたいコトを、伝えたい人に」をテーマに展示を展開しました。技術力のシンボルである航空機部品の展示は実物大に組み上げることで印象に残る展示としました。解説にはイラストやアイコンを用い、大人にも子供にもわかりやすい展示を実現しました。

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まとめ

企業ショールームは伝えたい情報、伝えたい想いを、「見る」「聞く」「触れる」「話す」などの様々な方法を用いてお客さまに届けることができます。
だからこそ、何を伝えるのが効果的なのか、どの順番でどのように伝えていくのか、全体のストーリーづくりを考えていくことを重要です。
丹青社では、ショールームの企画、設計、制作、運営を一気通貫でお手伝いしております。
興味のある方はまずはお気軽にお問い合わせください。

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