VRを活用した展示手法とは?新たな技術を用いた空間デザインや事例をご紹介
Date: 2024.06.05
目次
VRとは?
VRとは、Virtual Reality(バーチャルリアリティ)の略称で、「仮想現実」ともいわれる技術です。コンピュータによって作り出された仮想空間やコンテンツを、あたかも現実に存在するかのように実感させることができます。
多くの場合、ヘッドマウントディスプレイというゴーグル型の映像機器を装着して、デジタル上に再現された仮想空間に没入し、まるでその場にいるように体感できます。VRはテーマパークやイベントなどのエンターテインメントの領域のほか、ビジネスの領域における研修や技術伝承、不動産業界における内見の代替手段といった多様な利用が進んでいます。
VRを活用した展示手法とは?
VRは展示分野にも利用がされており、展示手法には次の方法が挙げられます。
空間にVR展示物を投影する
博物館の空間に、VR展示物を投影し、あたかも現実に存在するかのように見せる手法です。現存しない美術作品についても、大きさや形を再現することで従来不可能だった展示も可能になります。
VRシアターを公開する
VRの展示物などを映像で表現し、博物館内のVRシアターで上映するといった手法です。大きなスクリーンに映し出されたシアターコンテンツは迫力を持って表現できます。
オンラインでバーチャル博物館としてのVR展示
博物館そのものをVRで再現してバーチャルな展示を行う手法です。ブラウザを通じてまるで博物館の中を巡るかのように、バーチャルに展示を体験することができます。
VRを活用した展示手法のメリット
VR技術を展示に用いることにより、次のようなメリットが得られます。
物理的な空間や環境による制限を受けない
VR展示はあくまで仮想空間に展示を作り出すため、リアルな展示と比較して、物理的な空間や環境による制限を受けません。それだけ自由度が高いといえます。
複雑で多様な表現方法の提供
VR展示は、展示において複雑で多様な表現方法を提供してくれます。リアル展示ではできなかった手法により、展示の可能性を広げます。
拡張性・更新性が高い
VR展示はデジタルコンテンツであるため、拡張や更新を容易に行えます。時期に応じて変化をつけたり、一定期間ごとに新しいコンテンツを追加したりすることもできます。
VR技術の展示活用シーン
VR技術を展示に活用するシチュエーションは博物館や展示施設だけでなく、次のようなシーンが考えられます。
1.イベント・エンターテインメント
イベントやエンターテインメントの世界における活用です。例えば、プロジェクションマッピングなどの空間演出と合わせてVRコンテンツが使われることがあります。光や形状によるダイナミックな美しさの演出に寄与します。
2.建造物・インテリア
建造物やインテリアをVRコンテンツとして制作することで、不動産売買や賃貸における遠隔からの内覧や内見体験をよりリアルなものにすることができます。バーチャル上で実際に家具や家電を置いた状態を試す、内装の雰囲気を把握する、といった活用に最適です。
3.マーケティング・広告
マーケティング・広告の分野にもVR展示は活用されています。例えば、バーチャル空間にショッピングモールを作り、その中で商品の展示や販売を行うといったように、販売促進のための仕組み作りにVRが使われることがあります。
4.博物館・展示施設
博物館や美術館、ショールーム、企業ミュージアムなどの展示施設にVRを利用する方法です。先述の通り、これまでにない展示を通して、鑑賞者に新たな体験を提供します。
VR展示の導入事例
VRを活用した展示の事例を一つご紹介します。
ハウステンボス 光の王国2013 インタラクティブスケートリンク「リンクファンタジア」
長崎県 佐世保にあるテーマパークのハウステンボスで行われたイベントプログラム「光の王国2013」の一環として、VRコンテンツとスケートを組み合わせ、今までにないアトラクションをつくりあげました。
スケートリンクにはインタラクティブ機能を持たせ、スケーターの動きによって反応し、波紋の軌跡が描かれるように演出。また壁面にはプロジェクションマッピングを導入し、床から壁面までつながった演出を提供しました。
スケーターはもちろん、観客にとっても華やかな光と波紋を楽しめる展示となりました。
まとめ
VR展示は、これまでにない展示を提供し、多様なシーンで新しい可能性や演出を実現してくれます。
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