企業の歴史を伝える「歴史展示」とは?企業ミュージアムの可能性
Date: 2022.07.22
目次
- 歴史展示としての
機能を持つ企業ミュージアムとは? - 企業ミュージアムのつくりかた
企業が歴史を伝えるための取り組み
歴史ある企業が自社の歴史を伝えるための取り組みとしてどのようなものがあるでしょうか。
社史の編纂
社史は周年記念を機に、企業が生まれた背景やこれまでの企業の歴史を振り返り文書としてまとめます。完成した社史は社員のみならず、取引先や社員の家族などが読む場合もあり、企業のPR活動の一環としての役割も果たします。
映像の制作
社史は長く膨大な量になり、同じような内容になってしまいがちですが、動画コンテンツとしてまとめることで、ドキュメンタリー映画のような形で社史を見せる方法も登場しています。
展示
自社の歴史を視覚的・体験的に示し、空間づくりまでをも含む手法です。展示場所は既存の自社オフィスの一画や、展示ブース、専用施設を新設する場合もあります。展示手法の種類としては、映像にとどまらず、写真や文書、製品サンプル、インタラクティブなデジタルコンテンツなど多様なメディアを用いることが一般的です。
企業ミュージアムの設立
企業ミュージアムとは、上記の「展示」の一つで、企業の歴史を伝える資料や商品を展示し、企業の過去の取り組みから現在に至るまで軌跡を紹介する施設のことです。消費者への認知拡大のほか、社員に向けたブランディング向上にも有効です。編纂した社史や制作した動画を活用する場としても有効です。
創業者や歴代社長へのインタビュー
会社の創業者や歴代社長へインタビューを行い、経営をしてきた中での苦労や、どのような未来を見据えてこれまで取り組みを行ってきたかなどをまとめたコンテンツをWebサイトやSNSで一般公開することで、企業の歴史を効果的に伝えます。
歴史展示によるメリット
企業が歴史展示を行うメリットは大きく3つあります。
1. 企業のブランディング向上
企業は、製品やサービスそのものだけではなく、その企業に対するイメージなど、様々な要因で評価、認識されています。
長い歴史を持つ企業や社会に大きな影響を与えた企業は、その歴史や取り組みを紹介することを企業全体の印象を向上させることができ、他社との差別化を図ることができます。
このことはマーケティングや営業面での影響だけではなく、人材の獲得にも影響を与えます。
2. 社員のエンゲージメント向上
企業は歴史を重ね、規模が大きくなると、社員が自分の業務や部門以外のことを把握し、理解することが難しくなります。事業の垣根を越えて新規事業を立ち上げたり、異なる部門同士が交流することで高い価値を創出することが求められる現代においては、社員が自社のことを理解し、帰属意識を高めることは重要です。
企業の歴史や過去の取り組みを社員に見せることで、自分たちの原点や目指すべき姿を考え、認識することができ、企業の一員としての意識を高めることができます。
3.顧客からの信頼度向上
企業の歴史を知ることで、顧客は企業の信頼性や安定性を感じ、企業に対する信頼度が向上することが期待できます。
このように、歴史展示は単なる情報発信ではなく、企業の内外に大きなメリットをもたらすことができます。
歴史展示のデザインのポイント
歴史展示を施設で行う場合、より良い印象をより強く感じてもらうことが重要になります。
それを実現するために重要なデザインのポイントを3つ紹介します。
①出す情報の整理をする
歴史の長い企業や規模が大きい企業であればあるほど、展示によって伝えたいことや展示したい史料は多くあります。
しかし、展示を見る側からすると、あまりにも多くの情報に触れるとかえって印象が薄くなったり、記憶に残りにくくなります。
伝えたいこと、特に知ってもらいたいことを考え、情報や資料を整理することが重要です。
②順序立ててストーリーをつくる
伝えたいことを整理したうえで、展示する順番やストーリーを考えることが重要です。
展示を見る人にとって、どのような順番であればわかりやすいのかを考えます。
年代順で展示するだけではなく、事業テーマや特に有名な製品やサービスを起点として展開することも有効です。
③どのように伝えるべきか、手法を工夫する
施設での展示は文字や写真だけではなく、様々な手法をとることができます。
昔の史料や製品などの実物を展示したり、創業者の想いや行動はわかりやすく映像として見せたりすることもできます。
施設ならではの手法の多さを活かして、記憶や印象に残る方法を選んで展示を組み立てることが重要です。
ここに挙げた以外にも、案内係が説明することなど、展示をつくる以外にも工夫できる点が多くあります。
展示を見る側がどのように感じるのかをもとに、歴史展示を考えることが重要です。
歴史展示を行う施設の事例紹介
企業の歴史展示を行う施設として、弊社がプロジェクトに携わった2社の事例をご紹介します。
①100周年事業として技術歴史館をリニューアル
創立100周年事業として技術歴史館をリニューアル。長年にわたる企業の歴史を製品・技術を通じて感じていただけることを目指しました。
施設内は会社全体の歴史と「科学」「映像」「医療」の3つの事業の歴史をわかりやすく紹介しています。
>プロジェクト事例詳細はこちら
②140年の歴史を12のブースで紹介
開業140周年を記念して博物館を全面リニューアル。ワイド6Kのプレミアムシアターでは国内初の本格的ドイツ式ビール醸造を成功させた若者たちの歴史物語を迫力ある映像で鑑賞できます。また、説明員が案内しやすいようにトピックごとに独立した12のブースで構成した展示エリアを設けています。
>プロジェクト事例詳細はこちら
歴史展示におすすめの取り組み
歴史展示を行うにあたって、おすすめの取り組みをご紹介します。
企業ミュージアム
歴史展示は様々な場所で取り組まれていますが、企業ミュージアムを設立して行われることも多くあります。
企業ミュージアムとは、企業が様々な情報を発信したり、体験を提供するために設立される施設ですが、近年は様々なコンセプトや手法が採用され、魅力的な施設が増えています。
その中でも、自社の歴史や文化の展示を目的として設立されるケースは良く見られます。
ただ、近年は単に歴史を展示するだけの施設に留まらず、体験性の高い仕掛けを組み込むなど多くの人が楽しめる工夫を取り入れているミュージアムが増えてきています。
- 無料お役立ち資料
- 拡張する企業ミュージアムの機能と役割
-開発・リニューアルの方向性
VisualTiles®(ビジュアルタイルズ)
「VisualTiles®(ビジュアルタイルズ)」は企業の歴史展示を作るために必要なデータ(画像・動画・テキスト)の登録・更新作業が簡単に行えるシステムです。
●歴史展示に必要な情報が「まとまる」
製品情報や実績アーカイブ、会社年表といった膨大な量の情報をライブプレゼンテーションツールにまとめ、一元管理します。
テキストや画像、動画ファイルを簡単に登録することができます。
●会社の歴史が見やすいビジュアルで「伝わる」
VisualTiles®はタッチディスプレイ式で直感的に操作ができるのが特徴。
設置場所や目的に合わせて最適なプレゼンテーションを実現します。
まとめ
企業の歴史展示は、ブランディングやインナーブランディングの施策として有効な手段です。
歴史展示を計画する際には、単調にならず、記憶や印象に残る工夫が重要であるため、企業ミュージアムは歴史展示に最適な手段です。
丹青社では、企業ミュージアムの企画、設計、制作、運営を一気通貫でお手伝いしております。
興味のある方はまずはお気軽にお問い合わせください。
【企業ミュージアム制作事例】
>いすゞプラザ~車づくりを見て体験して学ぶ中で、ものづくりの精神も感じ取れる施設
>サッポロビール博物館~140年の歴史を紹介する国内唯一のビール博物館