コラム

企業ミュージアム(企業博物館)とは? 役割を基本からわかりやすく解説!

Date: 2023.10.16

企業ミュージアムや企業博物館と呼ばれる施設は、近年さまざまな目的でつくられるようになってきており、施設によって個性あふれる形で展開されています。
本コラムでは、企業ミュージアムとはそもそも何か、役割や目的などを基本からわかりやすく解説します。これから企業ミュージアムをつくりたいと考えている方の参考となりましたら幸いです。

株式会社丹青社

丹青社は空間づくりのプロフェッショナルとして、コミュニケーションやブランド訴求の拠点となる企業のPR 施設をはじめ、博物館や科学館などの文化施設、店舗などの商業施設といった、人やモノや情報が行き交うさまざまな空間づくりをおこなっている会社です。

企業ミュージアム(企業博物館)とは

企業ミュージアム(企業博物館)とは、企業が自社の歴史や製品、技術などを展示するために設けた施設のことを指します。企業ミュージアムは企業によってつくる目的が異なることが多く、施設によって展示手法や運営方法もさまざまです。
また、ビジネスパートナーに向けてのみ公開している場合と一般の方にも公開している場合とがあり、訪れる人に合わせた形で展示がつくられます。

企業ミュージアムの役割

企業ミュージアムの代表的な4つの役割についてそれぞれご紹介します。

企業とお客さまをつなぐ、コミュニケーションの場

企業ミュージアムは、企業の歴史、ビジョン、製品、サービス、技術力などその企業の魅力を展示体験を通して伝えることができます。お客さまとリアルな接点を持つことで、来場者の印象に残るコミュニケーションを図ることも可能です。
パートナーや取引先に対しては、より強固な関係性の構築につなげることができ、一般の方に対しては、ここで働きたいという気持ちを醸成するリクルーティング効果や企業の考え方への深い共感からファンになっていただけることも期待できます。

自社について深く知る、インナーブランディングの場

企業ミュージアムでは、企業の歴史や事業のあゆみ、今後のビジョンなどを紹介するケースがあります。従来はお客さまに対して自社への理解を深めてもらうことを目的としてその魅力を発信するケースが多く見られていましたが、社員に向けたインナーブランディングの場として、社内教育や研修の機会に使われることも増えてきました。
企業ミュージアムは、工夫を凝らした仕掛けにより、理念や価値観といった言葉だけでは伝わりにくいものまでもわかりやすく伝えることができるので自社について深く知る場として機能します。

自社の事業、製品やサービス、技術を伝えるプレゼンテーションの場

企業ミュージアムの中でも、企業の本社や工場の敷地内などに設置され、ビジネス用途として使われることが多い施設のことを企業ショールームと呼びます。
企業ショールームは広告やカタログだけでは伝えることができない製品やサービスの魅力を効果的に伝えられる場として機能します。
また、企業ショールームにプレゼンテーションのためのスペースを設けることで、見込みのあるお客さまに自社の事業や製品・サービスに用いられている技術、そしてその具体的な機能や効果を伝えることもできます。近年では、企業ショールームにデジタルを活用するケースも増えております。

【関連コラム】デジタルを活用した展示手法と最新技術をご紹介!

歴史的な価値を保存し、社会や文化を理解するラーニングの場

企業が自社の歴史を伝えるための取り組みはさまざまにありますが、企業ミュージアムを設立して企業の歴史を伝える資料や商品を展示することは、消費者への認知拡大になるほか、企業史のみならず社会や文化、民俗の変遷までも伝える学びの場としても機能します。
企業ミュージアムは日々進化しており、施設によってさまざまなコンセプトや展示手法が用いられることで、魅力ある施設をつくることができます。
近年は、資料を展示するだけに留まらず、”体験”をコンセプトにすることで、子どもから大人まで多くの人が楽しみながら学べる施設が増えてきています。

企業ミュージアムの事例を紹介

丹青社が手掛けた企業ミュージアムの事例をご紹介します。
 

Shimadzu Tokyo Innovation Plaza

ライフサイエンス・環境分野の新産業を創出するオープンイノベーション拠点「キング スカイフロント(川崎市殿町地区)」に新設された島津製作所の拠点。羽田空港から近い好立地を生かして、国内外の顧客や近隣の研究機関とともに、先端分析手法の開発およびSolutionの提供、共同研究推進、さらには国際的な学会や学術会議、セミナーを招聘。“魅せる”“繋げる”をコンセプトとして、新たな知の創造・交流空間を目指しています。

 

伊藤傳三記念館

伊藤ハム創業90周年の記念事業として創業の地に設立された、創業者・伊藤傳三の志を伝える記念館です。伊藤傳三の事業への取り組みを通じ、食肉加工産業の発展へと導いた道のりを広く紹介・公開しています。伊藤傳三の「事業を通じて社会に奉仕する」という精神を受け継ぎ設立された「公益財団法人伊藤記念財団」、「公益財団法人伊藤文化財団」と「伊藤ハム株式会社」が共同で運営しています。

 

容器文化ミュージアム

東洋製罐グループ新本社ビル1Fに新設された、容器包装の文化を発信するミュージアム。太古の昔から最新の容器包装まで、その歴史や技術・工夫を紹介しています。東洋製罐は1917年の創業以来、「包む」技術を通じて社会に貢献をしてきた企業です。本施設は、資料館であり、ショールームであり、更には企業と市民の新たなコミュニケーションを生み出す場を目指した施設です。

 

ロマンスカーミュージアム ジオラマパーク

「”子ども”も”大人”も楽しめる鉄道ミュージアム」をコンセプトに、海老名駅隣接地に開業した小田急電鉄初の常設展示施設。展示の一つとして、歴代ロマンスカーや通勤電車が疾走する鉄道ジオラマを当社で制作。新宿から箱根の沿線の街並みを一望できる巨大なジオラマ(約190㎡)で、鉄道はHOゲージ、街並みは精巧かつリアルに再現し、多彩なミニチュアと刻々と移り変わる沿線の風景を楽しめます。

 

コニカミノルタ「Innovation Garden OSAKA Center」 展示エリア

コニカミノルタの主要事業のひとつである画像IoT/AI事業の技術開発拠点「Innovation Garden OSAKA Center」にオープンした展示施設。「GO BEYOND HUMAN VISION」をスローガンに、現在の技術紹介にとどまらず画像IoT/AI事業の未来の可能性を伝え、お客さま・パートナー企業とのオープンイノベーション推進と更なる人財の拡充を目的としています。

 

ヤンマーミュージアム

ヤンマー創業100周年記念事業の一環として2013年にオープンしたミュージアムを、同社のリブランドプロジェクトのクリエイティブディレクターを務める佐藤可士和氏を総合プロデューサーに迎え、「やってみよう!わくわく未来チャレンジ」をコンセプトに一新。既存の建築を一部増築し、コンテンツについてはほぼ全面リニューアルしました。当社は展示企画、デザイン・設計、制作・施工、システム・コンテンツ企画・制作を担当。ヤンマーの事業フィールドや目指す社会をテーマにしたコンテンツを揃え、長きに渡り受け継いできたチャレンジ精神をさまざまな体験を通じて持ち帰ってもらう企業ミュージアムです。

 

オリンパスミュージアム

オリンパスの100周年事業として、オリンパス技術歴史館「瑞古洞」がスペースを拡張し、「オリンパスミュージアム」としてリニューアル。さまざまなステークホルダーに、長年にわたり社会への貢献や価値提供をしてきたオリンパスの歴史を、製品・技術を通じて感じていただけます。オリンパスが創業時から培ってきた「オリンパスらしさ」を体験・体感していただき、ゲストとオリンパスとのエンゲージメントを強化することを目指しました。

 

三菱ケミカルグループ ショールーム

三菱ケミカルグループ(MCGグループ)の特長やビジョンである「KAITEKI実現」を紹介するショールームです。ターゲットは、MCGグループと共創をめざす国内外のビジネスパートナー。KAITEKI SQUAREは、KAITEKI THEATERとMCGグループ製品や技術の展示ゾーンで構成されています。KAITEKI THEATERでは大型ラウンドスクリーンを使用し、未来世界を描いた映像を楽しむことができます。
※ご来館へは、MCGグループ社員を通じてのご予約が必要です。

 

宮崎日機装 展示室

独自の技術力で様々な事業を展開する日機装が、新設した工場に設置した展示室です。発電所向けの水質調整システムや石油化学産業向けのポンプ・システムの開発・供給から、日本初の血液透析装置の輸入・国産化、世界初のCFRP製カスケード(航空機部品)の製造など、専門性の高い製品により市場を創造しながら成長し続けてきた会社の歴史から事業背景、実物製品を展示・紹介しています。

 

いすゞプラザ

いすゞ自動車創立80周年記念事業として藤沢工場の隣接地に開館された施設です。日常生活の中での商用車との関わりをジオラマから学べる“「運ぶ」を支えるいすゞ”、トラックができるまでの工程を展示した“いすゞのくるまづくり”、歴代の車両を時代背景と共に紹介する“いすゞの歴史”の3つの展示ゾーンで構成されています。いすゞのものづくりに対する姿勢も知ってもらい、いすゞをより身近に感じられる施設を目指しています。

 

サッポロビール博物館

サッポロビール様が、その前身である「開拓使麦酒醸造所」の開業140周年事業として、国内唯一のビール博物館を全面リニューアルしました。激動の時代に、幾多の苦難を乗り越えて、国内初の本格的ドイツ式ビール醸造を成功させた若者たちの歴史物語を迫力の映像で鑑賞できる「プレミアムシアター」や、140年の歴史を12のブースで紹介する「サッポロギャラリー」などがあります。

 

TOTOミュージアム

日本の水まわり商品を牽引する企業TOTOが、創立100周年を迎える記念事業として北九州にある本社敷地内に開設した施設です。「TOTOミュージアム」は、当施設の2階に位置し、3つの展示室と特別展示室で構成されています。歴史的な資料から最新商品までを展示し、創業の地「小倉」から世界へとTOTOのブランド発信の中核となる施設を目指しています。

 

東芝未来科学館

1961年に開館した「東芝科学館」の移転リニューアル。東芝の技術の粋を集め、地域と連携した文化交流の場となる「東芝未来科学館」として、新たにオープンしました。スマートコミュニティをテーマに、多くの人の科学に対する興味を呼び起こし、東芝の技術や科学技術の素晴らしさを広めることを目的とした施設です。

 

Canon Gallery

キヤノンの企業像や歴史、すべての製品・サービス・ソリューションを展開するグローバル本社のショールーム。2フロア構成で、プロフェッショナル・オフィス・ネットワークカメラ・ヘルスケアなどのビジネス向けフロアと、カメラ・プリンターなどのコンシューマー製品のフロアに分かれています。

企業ミュージアムをお考えなら丹青社にお任せ!

丹青社は空間づくりのプロフェッショナルとして企業ミュージアムをはじめ、年間6,000件を超えるプロジェクトをお手伝いしています。これまでの豊富な経験を活かし、ご要望に合わせた施設を一緒につくりあげていきます。

企業ミュージアムづくりの流れ

企業ミュージアムづくりの進め方は大きく分けて、「構想」「計画・設計」「制作・準備」「開業・運営」の4段階です。
丹青社は構想段階から入り込み、開業後の運営のお手伝いまで一気通貫でサポートいたします。

企業ミュージアムづくりの流れについて

企業ミュージアムにかかる費用

企業ミュージアムは施設の大きさや、内装、立地などによって費用が大きく変動します。
丹青社はご予算も含めた全体計画をご提案いたします。
また、必要に応じて既存施設の調査や分析も行います。
「なんとなく興味がある」「土地を有効活用したい」といったようなお客さまもお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせはこちら

無料お役立ち資料

関連するコラム